「ロダン―天才の実像」

Overview museum, Photo: Ralph Richter,
© Groninger Museum

《地獄の門》や《考える人》などの作品で知られるオーギュスト・ロダンは、革新的な実験や大胆な造形力によって20世紀彫刻への流れを切り拓き、近代彫刻の父と称される。オランダのフローニンゲン美術館で開催中の「ロダン―天才の実像」では、140点以上の作品を展示し、ロダンの創造の秘密を解き明かす。

神の手、ロダン

展覧会は「神の手」と名付けられた部屋から始まる。部屋の中央には、今まさに神が人類を創造しようとする瞬間を切り取った《神の手》が置かれ、壁一面にはロダンのアトリエを撮影した写真が貼られている。このアトリエでは神の手をもつロダンを支えるために、50人以上のアシスタントが働いていた。

素材の違い

会場には大理石像や、石膏像、ブロンズ像、陶器でできた像など様々な素材の作品が並んでいる。同じテーマを扱った作品でも、素材と加工の仕方によって受ける印象が変わる。《エヴァ》(fig. 1)は《アダム》とともに《地獄の門》のわきに設置する巨像のために計画された。ブロンズ像の《エヴァ》では腕を体に巻き付けて身を捩る造形の面白味が強調され、大理石像では女性の柔らかな肌の肌理や肉体の曲線が際立つ。

フローニンゲン美術館

フローニンゲン中央駅正面に建つフローニンゲン美術館は、イタリア人建築家のアレクサンドロ・メンディーニをはじめとした四人の建築家がデザインしたひときわ目を惹く建物。多彩な芸術作品が展示されていて、地元の芸術家集団「デ・プルグ」の作品、中国や日本の陶器のコレクションなどが世界的に有名である。

フローニンゲン美術館 Groninger Museum
Museumeiland 1
9711 ME Groningen
The Netherlands
http://www.groningermuseum.nl/en
開館時間: 火曜日~日曜日 10:00-17:00
休館日: 毎週月曜日及び1月1日、4月27日、12月25日

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