パリ・ルーヴル美術館のギリシャ彫刻の傑作「サモトラケのニケ」と展示エリアの修復が、9月から始まりました。
「ニケ」は勝利の報を伝える女神のこと。紀元前2世紀に作られ、1863年にエーゲ海のサモトラキ島で発見されました。羽を広げたまま船の船首部分に舞い降りた瞬間をとらえた姿は、力強さと美しさを兼ね備え、見るものの心を奪います。
世界中から集まる美術ファンにとって、修復作業のためにニケ像がしばらくの間鑑賞できなくなるのは残念なことですが、本来の大理石の美しさを取り戻し、来年春には再び登場する予定です。
また、ニケの素晴らしさを引き立たせているのが「ダリュの階段」を含めた展示スペースです。ルーヴルを訪れた人は、この階段の頂上に立つ「女神」の姿を目にします。そして、この階段を一歩づつのぼりながら最上段のニケ像に近づきます。まさに傑作の展示にふさわしい環境が作り出され、ルーヴル美術館で最も成功した演出ともいわれています。
この階段を含め、天井や壁も含めた展示エリア全体も修復され、2015年に完成する予定です。
ニケ修復についての詳細は、以下のルーヴル美術館の特別ウェブサイト(日本語版)に掲載されています。またルーヴル美術館では、この歴史的修復工事のために個人からの寄付キャンペーンをスタートさせました。ご関心のある方は是非ウェブサイトをご参照ください。
http://www.louvresamothrace.fr/jp
日本テレビホールディングスも「サモトラケのニケ」修復を支援しています。
http://www.ntvhd.co.jp/pressrelease/2013/20130904.html