「ルーヴル・ アブダビ」と心躍る作品群お披露目

ルーヴルの名を持つ美術館が、アラブ首長国連邦のアブダビに誕生することは、すでにご存知の方も多いことと思う。名称は「ルーヴル・アブダビ」で、開館は来年2015年12月が予定されている。

Model of the Louvre Abu Dhabi which is expected to open next year.

パリのルーヴル美術館ではこのほどBirth of a Museum(美術館の誕生)という特別展が始まったが、この特別展で一足先に、「ルーヴル・アブダビ」のメイン展示物が堪能できる。この展示物の多種多彩なこと、どれもこれも美しい輝きを放っている。一例を挙げると、とても愛らしいクロライト(緑泥石)の小さな「姫君像」(紀元前1000年頃の中央アジアで制作)、半リングの両端が見事なライオンの彫金になっている紀元前700年頃の黄金のブレスレット、このほかインドの大理石の仏頭や、真珠貝や鼈甲を散りばめた多角形の用具箱(中国、唐代)など、ため息をつかずにはいられない宝物ばかりである。

Bactrian princess Central Asia,
late third-early second millennium BCE

絵画に目を転じると、西洋絵画だけでも、ヴェネチア絵画の創始者ジョヴァンニ・ベッリーニの聖母子、フランスからはコローの詩情豊かな風景画、マネのボヘミアン女性、さらにピカソやマグリットの作品やイヴ・クラインの単色絵画など、時代を網羅し多彩な題材の素晴らしい作品が集められている。展示も見事である。日本の掛け軸が肉体美の彫刻像と相対し、インド、トルコ、ペルシャの細密画が姸を競い、屏風を背景にアールデコ風の脚付き机が置かれているといった具合である。

ルーヴル美術館は2012年12月、パリ北部にあるかつての炭坑町ランス市に別館を開設している。このランス別館の目玉である常設展示は「時のギャラリー」と銘打っており、ルーヴルが所蔵する文字の始まった時代の作品から19世紀の絵画、彫刻まで、数千年に渡るオリエントと西洋の美術の歴史をひとつの広い空間で味わうことができ、大評判を呼んでいる。これに対して「ルーヴル・アブダビ」はユニバーサルを謳い文句に作品群が世界中から収集されている。この作品集めはフランス美術館局(Agence France-Museums)というフランス政府の組織により行われた。フランス美術館局を構成するのは「ルーヴル」「ポンピドーセンター」「オルセー」「オランジュリー」「グランパレ」「ヴェルサイユ」などパリ周辺の国立美術館と公共施設合わせて12の団体である。「ルーヴル・アブダビ」は7年前に、フランスとアラブ首長国連邦の政府同士で合意したものであり、両国の威信をかけた大プロジェクトと言うことができる。

Japanese scrolls and Roman sculptures together contribute to create a space of both serenity and motion

「ルーヴル」の看板は30年間使用できるそうで、アラブ世界で始めての世界規模の美術館をルーヴルの名の下に築き上げるという壮大な計画であると両者は胸を張っている。作品はルーヴルを始めとする上記の団体の所蔵品、そして今回展示されている美術品群が中心となるが、早々とこれだけの作品が集まるとなると、来年の開館の時はいったいどんな展示がお披露目されるのか楽しみである。

Birth of a Museumは7月28日まで。

ルーヴル美術館 The Louvre
75001 Paris
France
Métro: Palais-Royal Musée du Louvre (lines 1 and 7)
http://www.louvre.fr/en
日本テレビは、ルーヴルの3大至宝「モナリザ」「ミロのヴィーナス」「サモトラケのニケ」の修復や展示環境の整備に協力をし、定期的に日本でルーヴル美術館展をルーヴルと共同で開催しています。