設立20周年を迎えたアクゾノーベル美術財団は、2016年1月、オランダ、アムステルダムの自社ビル1階にオープンした<エッセンシャル・アート・スペース>にて初めて財団コレクションを一般公開した。(fig.1)
アクゾノーベル株式会社とは
財団の母体となるアクゾノーベル株式会社はアムステルダムに本社を置き、80カ国に及ぶ国々に展開する、世界最大の塗料会社であリ、特殊化学製品メーカーでもある。その製品は飛行機や船舶、住宅の壁だけでなく、パソコンなどのデバイスや化粧品、食品などにも広く使用されている。
オープニング展「カルチャー・オブ・カラー」
アクゾノーベル美術財団は20年にわたってコンテンポラリー・アートを収集してきた。そのコレクションは、革新的な絵画や映像作品、予想外の材料を組み合わせた創造的な立体作品など、先進的な作品が多数含まれているのが特徴だ。オープニングを飾る展覧会「カルチャー・オブ・カラー」では、この独創的なコレクションを紹介する切り口して、自社の製品とも共通する「色彩」を選んだ。会場では100年前の顔料を提示するピーター・ローレンス・モルの《トータル・アマウント》を中心に据えた「顔料の力」、絵具のトーンや質感、流動性をテーマにした作品を集めた「崇高な輝き」、さまざまな人種の肖像画を展示する「アイデンティティの色」など、興味深いテーマごとに作品が展示している。
<エッセンシャル・アート・スペース>には誰もが自由に出入りでき、入場は無料。