20世紀の新しいイギリス陶芸

Ewart Uncles © Bristol Culture
イギリスのブリストルにあるブリストル市立博物館・美術館で、20世紀のイギリス陶芸を振り返る展覧会が開催されている。

20世紀イギリス陶芸
Fig.1 Hans Coper © Bristol Culture

20世紀のイギリス陶芸は、産業革命以降の機械工業化に伴って出現した陶磁器産業と、絵付け職人や轆轤(ろくろ)職人たちが分業で制作する工房制作が併存していた。その中で新しい潮流、個人陶芸作家が生まれた。彼らは実用性の高い陶磁器と芸術的表現が結びついた美の表現者というべき存在であった。

その立役者となったのがバーナード・リーチであった。リーチは1920年に濱田庄司を伴って日本から帰り、東洋と西洋、日本とイギリスの陶芸の伝統と融合した様式を生み出した。それは素朴かつ重厚で力強い焼き物だった。

新しい陶芸の新しいかたち

オーストリア出身の陶芸家ルーシー・リーとドイツ出身の陶芸家ハンス・コパー(fig.1)は第二次大戦の戦火を逃れてイギリスへ亡命した。ふたりは同時代に勃興してきた抽象彫刻の影響を受け、うつわの空間表現や造形的な陶芸を追及した。彼らの作品は薄く軽やかで、抑揚の効いた新たなバランスを生みだした。このように彼らに代表される若い陶芸作家たちは、機械による品質のすぐれた量産品の普及によって、工芸家たちの日用品製作の必要性も以前ほど求められなくなり、フォルムと表現について実験的なアプローチで新しい陶芸を探求した。

「Radical Clay」展は2018年6月10日まで(月曜日は不定休)

ブリストル市立博物館・美術館 Bristol Museum & Art Gallery
Queens Rd
Bristol BS8 1RL
The United Kingdom
https://www.bristolmuseums.org.uk/bristol-museum-and-art-gallery/
開館時間: 火—日曜日 10:00-17:00
休館日: 12月25、26日、月曜日不定休 (ホームページ でご確認ください)

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