フランス・ハルスと近代画家たち

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Fig.1 Frans Hals, Laughing Boy, ca.1625, Collection Mauritshuis, The Hague

フランス・ハルスは、肖像画と半身像の風俗画を得意とする17世紀のオランダ絵画黄金時代を代表する画家の一人である。活気あふれる市民たちの様子をありありと伝え、人物の瞬間的表情を巧みにとらえる大胆な筆触はエドゥアール・マネやフィンセント・ファン・ゴッホら19世紀の画家たちに大きな感銘を与えた。ハルスが活躍したオランダ・ハールレム市にある彼の名前を冠したフランス・ハルス美術館では、彼の代表作と彼からインスピレーションを得た画家たちの作品をともに展示し、ハルスの作品をいかに近代の画家たちが受容したのか、その影響を辿る展覧会が開催されている。

大胆な筆さばき

ハルスの作品には、他の17世紀の画家の作品には見られない躍動感がある。《笑う少年》(fig.1)において、彼は少年が見せる無邪気な表情を的確な筆さばきによって素早く画面に捉えることに成功している。豊かで自由闊達な素描的筆使いにより、描かれた少年は生命感に溢れている。

Fig.2 Vincent van Gogh, Madame Roulin and her Baby, 1888, oil of canvas, The Metropolitan Museum of Art, New York, Robert Lehman Collection, photo: The Metropolitan Museum of Art/Art Resource/Scala, Florence

ハルスから学んだもの

ゴッホが書簡の中で幾度もハルスの名前を挙げて言及したように、後世の画家たちはハルスの作品から瞬間の表情を捉える大胆な筆さばきを学んだ。ゴッホが描いた《ルーラン夫人と赤ん坊》(fig.2)は居心地悪く今にも動き出しそうな赤ん坊と、ゴッホに描いてもらうためになんとか赤ん坊を落ち着かせようとする母親の姿が素早い線で描かれており、赤ん坊の愛嬌のある表情や母親の腕から抜け出そうと動く肩の描写には臨場感が溢れている。
フランス・ハルス美術館の前身であるハールレム市立美術館を訪れたマネはハルスの《養老院の女性理事たち》を模写し、ギュスターヴ・クールベは《ハールレムの魔女》を模写した。本展覧会では、ハルスの作品とこれらの模写を並べて観ることも出来る。

展覧会は2月24日まで開催(月曜日休館)。

フランス・ハルス美術館 Frans Hals Museum

Groot Heiligland 62
2011ES Haarlem
The Netherlands
http://www.franshalsmuseum.nl/en/

開館時間:

火曜日~土曜日 11:00-17:00
日曜日、祝祭日 12:00-17:00
12月24、31日  10:00-16:00
休館日:
毎週月曜日及び1月1日、12月25日